いい年して、まだ伸びたい。プロダクトデザイナー13年目、“経験ゼロ”の電力の世界へ。

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こんにちは!enechainのシニアデザイナーのみそん(@misunkang5)です!
この記事はenechain Advent Calendar 2025の22日目の記事です。

いい年して、まだ伸びたい。プロダクトデザイナー13年目、"経験ゼロ"の電力の世界へ。

いい年してまだ伸びたい。

気づけばプロダクトデザイナーとして13年目。

安心できる領域を抜け出し、私は電力という未知の世界に飛び込みました。

そこで感じた「通じるもの」と「通じないもの」。

私の挑戦の記録を残します。

プロダクトUIUXデザイナーとして12年間、私はずっと日本大手のBtoB SaaSの世界にいました。
ユーザーの状況と課題を理解し、ソリューションを考え、UIUXとして落とし込んだものを提案する。そんな仕事が「呼吸するように」できるようになっていました。
それがある日、私は”経験もナレッジも0”のエネルギー業界に転職しました。
現在、入社2ヶ月目です。

ここで簡単に自己紹介をさせてください。

ここで簡単に自己紹介をさせてください。

日本で大学院を卒業後、上場大手SaaS企業「Sansan」の一人目のBtoB向けプロダクトデザイナーとして入社し、12年間働いてきました。
Bill OneやContract Oneなど複数の新規プロダクトの立ち上げからグロースに関わり、デザインとPdMの境界も跨ぎながら、プレイングマネージャーとしてチームの成長とUX品質を守る仕組みづくりにも取り組んできました。
安定と成熟の中でプロダクトを育ててきたからこそ、あえて“経験ゼロ”のエネルギー業界に飛び込み、初めての転職に挑戦しました。
もう一度、自分を鍛え直したいと思ったからです。

なぜ、あえて別業界に飛び込んだのか

なぜ、あえて別業界に飛び込んだのか

理由はシンプルです。
一度、自分の当たり前を外し、ゼロからもがきながら積み上げ直したいと思ったからです。
長く同じ業界にいると、気づかないうちに「当たり前」が増えすぎてしまいます。
ある日、その「当たり前」が自分を不安にし始めました。
私はちゃんともがいているのか。
成長できているのか。
だから一度リセットして、手探りで積み上げていく感覚を取り戻したかったのです。
そしてもう1つ。
電力が流れ、取引が走り、数字がリアルタイムに跳ねる世界で、UXがどのように生きるのか。1ミリも想像できない業界で、自分の手で確かめながら理解していきたいと思いました。

できない自分に落ち込みながら、昨日より成長した自分にこっそり感激する日々

できない自分に落ち込みながら、昨日より成長した自分にこっそり感激する日々

用語問題。飛び交う言葉が全く理解できず、一つずつ覚えていく毎日。

計画提出、PFE、エクスポージャー、スプレッド、BG…
知らない単語が、そのまま仕様になり、UI要件になる。そんな世界です。
ほとんどのミーティング内容が理解できず、会話と同時進行で必死に調べまくる日々が続きました。
それでも、昨日より理解できる単語が増えた日は、こっそり嬉しかったりします。

ユーザー理解もゼロからのスタートです。

エネルギー領域は非常にヴァーティカルで、潜在顧客も既存顧客も無限に増えていくわけではありません。
入社1ヶ月目には、営業とPdMとともに既存顧客の月次定例へ同行するチャンスもありまし
た。でも当然ながら、要望や質問に上手く答えられない。悔しさと情けなさを飲み込みながら、学ぶ日々でした。
だからこそ、既存顧客の体験を丁寧に育てるUXが、プロダクトそのものを支えると徐々に理解できるようになってきました。

Sansanで培った強みが通用したところ

Sansanで培った強みが通用したところ

まだ入社2ヶ月ですが、
前職で培った強みが“ここでも活きる”手応えは確かに感じています。

① ユーザー理解と課題を形にするスキル

業界知識が追いつかなくても、

  • 本質的なボトルネックは何か
  • ユーザーにとって理想の状態はなにか

を整理し、UIに落とし込む力は変わらず役立ちました。
このスキルは領域を問わずに活きると実感しています。

② スピーディーなプロトタイピング

専門知識の差が大きい領域だからこそ、
目で見て話せる“共通言語”が強い武器になります。
プロトタイプがあることで、

  • 認識のズレが一気に小さくなる
  • 仮説検証が高速に回る

前職では当たり前にやっていたプロトタイピングが、
現職ではより大きな価値として機能すると感じています。

③ UX品質ラインの“勘”が健在

  • 迷いやすいUI
  • 破綻しやすいIA設計
  • ユーザーのタッチポイント全体の体験

どんな領域でもUX品質には落とし穴があります。その兆しに早く気づける目は、ここでも確かに役に立っています。
自分が担当する画面だけでなく、メンバーのデザインをレビューする際にも品質ラインを守る視点が活きていると実感しています。

デザイン思考の本質は変わらない

  • 課題の筋道を見つける
  • 意思決定を支えるUIにする
  • チームの認識を揃える
  • 仮説を可視化する

これは業界固有のスキルではなく、人の意思決定を扱う力 なのだと気づきました。
知識は後からいくらでも積めます。でも、その知識をどう扱うかは、どこへ行っても変わりません。

いま、必死に鍛えている部分

いま、必死に鍛えている部分

もちろん、新しく求められるものも多いです。

① 業界知識が「当然すぎる」前提条件

知識ゼロでは、そもそも議論の土俵に立てない瞬間があります。電力市場の仕組みに加え、
金融知識まで必要だと感じています。理解が遅れれば、そのままユーザー理解の遅れになる。
そこは今も必死にキャッチアップ中です。

② 数字への耐性

電力は数字で動く世界です。正しい理解がそのままUIに直結します。
1つの契約が動かす金額が大きく、誤ったUIはそのままリスクに繋がります。
数字1つを「ただのデータ」として扱えない世界です。

③ UIの物理法則が違う

スピード。安全性。ミスできない圧。
前職では、仮に間違ってもすぐ修正できる「高速PDCA」の余白がありました。
しかしこの業界では、ひとつのミスが大きな損失につながる。その緊張感の中でUIを設計する必要があります。
この領域での「設計の一歩」は、ユーザーの「損益の一歩」に直結する。
そのプレッシャーが毎日の集中を生んでいます。

隠し味:支えてくれる「同僚」の存在

隠し味:支えてくれる「同僚」の存在 入社して最初の1ヶ月は、多様なバックグラウンドを持つ14人の同僚と1on1をしました。
そこで、

  • 次に話すべき人を繋いでもらったり
  • 今の自分に必要な視点を与えてもらったり
  • 「ちゃんともがけてるよ」と励ましてもらったり

とにかく支えられてきました。
enechainの先輩方は、競争力のある専門性かつ、人を思いやる強さをもった方々ばかりです。安心して挑戦できる環境は、人がつくってくれるのだと実感しています。

結論:経験は別業界でも裏切りません

通用した部分も、まだ鍛えている部分もあります。
でも、12年間積み上げてきたスキルは確かに新しい環境でも動いていました。
むしろ、自分のデザインの軸がよりクリアに見えるようになってきました。

異業界に興味があるデザイナーへ

もし今、別領域に興味はあるけれど迷っている方がいたら、伝えたいことがあります。

あなたのスキルは、想像以上にタフです。

知識は後からついてきます。
当たり前ですが、苦しみながら培ってきた経験とスキルはどこへ持っていってもしっかり働いてくれます。
私の2ヶ月の実験が、その小さな証明になればうれしいです。


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