低い運営負荷と高い熱量を実現する!社内勉強会のつくりかた

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この記事はenechain Advent Calendar 2025の5日目の記事です。

はじめに

こんにちは!enechainでテクノロジー本部のマネジャーを務める@sug1sanです。

わたしはテクノロジー本部の技術広報活動を推進する傍ら、部門のオールハンズミーティング、社内勉強会といった各種社内イベントの企画や運営も行っています。

今年、これまで3年間にわたって開催してきた社内勉強会をリニューアルしました。

現在、社内勉強会は発表者や参加者が自発的に集まる熱量の高いイベントになっており、また、運営の負荷が下がってよりサステナブルに運営を継続できるようになりました。

この記事では、以前の勉強会にどのような課題があり、それをどのように改善したのかをご紹介します。結果として、運営負荷を減らしつつもより熱量の高い勉強会へと変化できた、そのリニューアルの全貌をお伝えします。

これから社内勉強会を始めたいと考えている方や、社内勉強会が盛り上がらずに悩んでいる方の参考に少しでもなれば幸いです。

リニューアル以前の課題と解決策

リニューアル以前、3年続いた社内勉強会には停滞感が生まれてきていました。

部門内でヒヤリングしたところ、2の大きな課題が見えてきました。そこで、それらの解決策を検討しました。

1. 「持ち回り制」から「エントリー制」へ

【課題:決められた発表順による疲弊】

勉強会の発表順はあらかじめ決められたローテーションでの各チームの持ち回り制でした。

確実に発表者を確保できる反面、発表者は自身にとっての最適なタイミングを選べず、「やらされている感」を感じ、疲弊していました。

【解決策:エントリー制の導入】

そこで、発表したい人が自由にエントリーする方式へ切り替えました。発表者の確保という点では不確実性が増しますが、「後述する『負担の軽減(課題2)』さえ実現できれば、自発的なエントリーは生まれるはずだ」という確信のもと、導入に踏み切りました。

2. 「重い準備負担」から「選べる時間制」へ

【課題:準備の重い負担】

勉強会では毎回、1枠20分で2名が発表していました。

掘り下げた話をするのに十分な時間が確保されていました反面、発表者にとってはその準備が工数的、心理的に負担となっていました。

【解決策:選べる時間制の導入】

そこで、1枠10分×5枠の中から、発表者が好きな時間を使える仕組みを導入しました。以下のように、内容に応じて10分刻みで自由に時間を使うことができます。

  • 1枠使って発表5分 + 質疑5分のLT
  • 2枠使って発表15分 + 質疑5分のセッション
  • 5枠すべて使って50分間の参加型ワークショップ開催

1枠あたりの時間を短くし、気軽にLTを行えるようになれば、発表のハードルは下がります。その上で、発表者のやりたいことに合わせて自由度を高めれば、勉強会が活性化するという仮説を立てました。

トライアルとアンケート実施

「エントリー制」「選べる時間制」の2つのアイデアの検証のため、まずは一度だけトライアルを行いました。

その後のアンケートで参加者からポジティブな反応を得ることができたため、正式採用を決定し、社内勉強会のリニューアルを行いました。

アンケート結果1

アンケート2

結果

リニューアル後、社内勉強会にはポジティブな変化が生まれています。

発表の心理的なハードルが下がったことで、発表者、参加者が以前よりも自発的に勉強会に臨むようになり、その結果高い熱量が生まれるようになりました。

勉強会全体の熱量の高まり

発表者、参加者ともに多く集まり、勉強会のSlackチャンネルでのコメントやリアクションも活発に行われています。

Slackチャンネルの様子

発表枠は平均すると毎回4枠が埋まっています。最近では次回開催分の5枠が早々にすべて埋まって次次回の枠が埋まり始める等、多くの方が積極的にエントリーしてくれています。

発表者の裾野の広がり

プロダクトマネジャーやデザイナー等、エンジニア以外の方の発表や参加が増え、内容に幅が生まれてきています。

デザイナーの発表

様々な企画での活用

通常のLTやセッションの形式だけでなく、AIデザインハッカソンやセキュリティLIVEデモ、English LT Challengeといった企画にも活用されています。

techblog.enechain.com

定型運営タスクの自動化

リニューアルによって、社内勉強会は活気を取り戻しました。しかしもう1つの課題として、各種運営タスクの負担がありました。

社内勉強会の運営は有志のメンバーが集まって行っています。全員に主業務がある中で、サステナブルに運営を継続するためには、この問題を改善する必要がありました。

そこで、定型的な運営タスクの自動化に取り組みました。

定型タスクのリストアップ

まずは勉強会運営に必要となるすべての運営タスクをリストアップしました。その上で、その中から自動化できる可能性の高い定型タスクを抽出しました。その後、それぞれの自動化方法を検討の上、実現していきました。

勉強会スケジュールと発表枠追加の自動化

enechainではナレッジやタスクの管理にNotionを利用しています。勉強会のスケジュール、および、各回の発表枠の管理についても、それぞれNotionのデータベースを作成し、管理しています。

erDiagram
    "スケジュール DB" ||--|{ "発表枠 DB": "1つのスケジュールには5つの発表枠が紐づく"

    "スケジュール DB" {
        title name "名前"
        date date "日付"
        relation slot "発表枠"
        user user "ファシリテーター"
        url record_file "録画ファイル"
    }

    "発表枠 DB" {
        title name "タイトル"
        relation schedule "スケジュール"
        rollup date "日付"
        user user "発表者"
        url material "資料"
    }

スケジュールDBへの将来の勉強会開催予定の追加、それに紐づく各回5つの発表枠の発表枠DBへの追加を、Notionのオートメーション機能を用いて自動化しています。

これにより、今後開催される2回分の勉強会のスケジュールと発表枠が常に用意されるようになっています。

録画ファイル共有の自動化

勉強会の録画、およびそのファイルの共有を自動化しています。

録画の自動化

勉強会はGoogle Meetを用いてオンラインで実施しており、録画もMeetの機能を利用しています。 録画漏れが発生しないよう、運営メンバーがMeetに参加したタイミングで自動的に録画が開始されるよう設定しています。

録画ファイル共有の自動化

Meetの録画ファイルは、予定の主催者のGoogle Driveに保存されます。この状態では、主催者以外が録画ファイルにアクセスできません。

そこで、Zapierを用いて、録画ファイルのリネーム、移動、共有を自動化しています。手順は以下の通りです。

  1. Google Driveの動画保存フォルダに対する新規ファイル作成イベントをトリガー
  2. 1の動画ファイルを取得
  3. 2のファイル名を変更 (TechLT会_YYYYMMDD.mp4)
  4. 3のファイルを共有ドライブに移動
  5. 4のファイルのURLをSlackチャンネルにポスト

これにより、勉強会の終了後、Meetの録画ファイル生成処理が完了し次第すぐに (おおよそ1時間後) 録画ファイルが自動的に共有されるようになっています。

録画ファイルの共有

各種アナウンスの自動化

勉強会の前後には、参加者に対して以下のアナウンスを行います。

  • 開催前日のリマインド
  • 開催後のアナウンス
  • 定期的な発表者の募集

これらアナウンスに必要なデータは、すべて前述のスケジュールDB、発表枠DBで管理しています。

そこで、Google Apps Scriptを用いて、アナウンスを自動化しています。大まかな手順は以下の通りです。

  1. 時間ベースでイベントをトリガー
  2. Notion APIを用いてスケジュールDB、発表枠DBから必要なデータを取得
  3. 2のデータを用いて文章を生成
  4. Slack APIを用いて3の文章をSlackチャンネルにポスト

これにより、定型的な運営からのアナウンスについては、人手を介すことなく、タイムリーかつ漏れなく行えるようになっています。

開催後のアナウンス

結果

これら3つの自動化によって、運営タスクの多くを運営メンバーの手から解放できました。

これにより、サステナブルな運営が可能になったとともに、勉強会のファシリテーション、継続的な勉強会運営の改善といったより本質的かつ重要な役割に、運営メンバーが注力できるようになりました。

今後の展望

最後に、今後取り組みたいと考えている2つの施策についてご紹介します。

発表者の裾野のさらなる拡大

毎回多くの方が自発的にエントリーし、発表してくれています。しかし、データで見るとまだまだ発表者には偏りがあるため、発表者の裾野をできるだけ組織全体に広げていきたいと考えています。

そのために、引き続き発表の心理的なハードルを下げるための取り組み、発表テーマを見つけるきっかけ作り、そして資料作成や発表準備のノウハウ提供等を行っていきたいです。

社外への知見共有の支援

私は技術広報活動の推進も担っており、その活動の目的を技術コミュニティへの知見の還元や、メンバーの成長や個人ブランディングの支援として定めています。詳細はこちらの記事もご参照ください。

techblog.enechain.com

その目的を達成する手段として、メンバーのテックブログでの発信や技術イベントでの登壇等も支援していきたいと考えています。

勉強会の発表内容の中にはもちろん社外秘の内容が含まれることもありますが、そうではないものもたくさんあります。そういった社内に閉じたナレッジを、発表者がテックブログや登壇という形で社外にも共有していけるよう、社内勉強会の資料からのブログ化や登壇機会の提案等の仕組みを整えていきたいと考えています。

まとめ

社内勉強会に「エントリー制」「選べる時間制」を導入し、発表のハードルを下げました。これにより、発表者、参加者が以前よりも自発的に勉強会に臨むようになり、その結果高い熱量が生まれるようになりました。

また、定型的なタスクを自動化することで、サステナブルな運営を実現するだけでなく、運営メンバーがより本質的かつ重要な取り組みにフォーカスできるようになりました。

今の社内勉強会のかたちが最終系ではなく、課題はこれからも移り変わりゆくものと考えています。今後も発表者や参加者からのリアルタイムなフィードバックの取得、定期的なふりかえりを起点としたPDCAを通じて、変化を生み出し続けていきたいと思います。

明日は@kumashun88 によるPlatform Engineering Desk発足からこれまでのふりかえりの記事です。ご期待ください!


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