enechainとしてのDevRelを定義しました

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はじめに

はじめまして。enechainでDevRelをしているかがわです。
電力取引におけるリスクを管理するeScanというプロダクトのEMと兼任で、DevRelの活動をしています。

enechainではこれまで、TechBlogの運用テックカンファレンスへのスポンサードテックイベントの開催や採用広報などに取り組んできました。

数ヶ月前から私も技術広報活動に関わっていますが、過去の経験上活動する人や決裁者の認識を揃える重要性を感じていたので、各種活動の前提となる考え方を定義し揃えることにしました。

今回、社内で認識を揃えたenechainにおけるDevRelの定義について、記事としてまとめました。
enechainのDevRelに対する考え方を知っていただいたり、これから社内でDevRelを立ち上げる際の参考としていただいたり、本記事を通して何かしらの気づきや知見を届けられていたら嬉しいです。

DevRel(Developer Relation)とは?

昨今、エンジニアに限らず「採用」の難易度は高まり続けています。そういった背景もあり、多くの会社で転職潜在層への認知を高めるためにテックブログの執筆やテックカンファレンスのスポンサードといった取り組みを行っています。
ただ、DevRelは「採用」だけを目的にした活動ではありません。ChatGPTにDeveloper Relationの定義を聞いてみました。

Developer Relation(デベロッパーリレーション)とは、企業や技術提供者が開発者コミュニティとの良好な関係を構築し、維持・発展させるための取り組みを指します。現代では、従来の取り組みと融合し、企業のブランド認知向上や信頼構築に寄与する役割も果たしています。

DevRelには「開発者コミュニティとの良好な関係の構築」や「企業ブランド認知の向上」、「企業の信頼構築」という側面があるようです。
「採用」や「企業ブランディング」という企業の実利だけでなく、「開発者コミュニティとの良好な関係」という社内外のエンジニアや開発者コミュニティに対してどのような影響を与えられるかも意識する必要がありそうです。

enechainにおけるDevRel

技術広報を実務として行っていた方、我々のボスと議論し、以下2つをDevRelのミッションとして定めました。

  • enechainで働くエンジニアが技術的な競争優位を獲得できる文化がある
  • enechainが技術コミュニティに広く認知され、影響を与えている

立ち上げ初期(半年〜1年)の成果をトラッキングするためのKPIは以下のように設定しています。

  • プロセス型化ができている社外発信チャネルの比率
  • 1年の中で1回以上技術コミュニティと接続しているエンジニア・デザイナー・PdMの比率
  • 接触者数

ミッションを設定するにあたって考えたこと

DevRelとして、ビジネス価値とユーザー価値どちらかに偏りすぎずアウトカムを創出していくことを心がけています。
プロダクト開発においても仮説を立てる際にはビジネス価値とユーザー価値を考えますが、どちらかが欠けてしまうと価値の最大化に繋がりません。
ここでいうビジネス価値は「テックブランディング」と「採用への寄与」です。
これまで社内で推進していた技術広報活動は、私の肌感覚ですが採用文脈が少し強かったように思います。社外のアウトプットが過度に採用色を出していたかというとそうではありませんが、社内の目的設定は採用に比重がありました。
社内での位置付けや文化をリバランスするため、ミッションはユーザー価値に重きを置いたものにしています。

ユーザー価値はユーザーストーリー風に記載すると以下のようなものを想定しています。

  • 採用候補者が、テックブログなどを通じて一緒に働くエンジニアや開発チーム・システムの情報を提供することで、入社後のネガティブギャップの最小化や納得感のある入社意思決定ができるようになる
  • 開発者コミュニティが、業務を通じて得た知見を発信することで、開発効率や技術品質を向上させられる
  • 開発者コミュニティが、スポンサードやOSSコントリビュートなどをすることで、継続的な活動が行える
  • enechainのエンジニアが、技術コミュニティとの接続を支援することで、有益な知見をコミュニティから得やすくなる
  • enechainのエンジニアが、発信を支援することで、言語化能力を向上させることができる

対社内のエンジニアについて補足をすると、
アウトプットをする人のところに多くの情報が集まってくるいい循環があるため、スキルアップにポジティブな作用をすると考えています。
また、アウトプットをする過程で知識の定着が促進されること、リモートワークが普及した昨今文書化能力を磨くことの重要性が増していることからアウトプットの機会を増やすことを推奨し、支援していくという方針にしました。

KPIの設定

継続的な活動をしていくためには、仕組み化や仕組みの継続的な改善・メンテナンスを通してROIが見合う状態を維持していく必要があります。 特にスタートアップではDevRelを専任していることは稀なので、如何に仕組み化などを行い活動の敷居や工数を下げていくかは重要です。
そういった観点で、立ち上げ初期(半年〜1年くらい)は社外発信のプロセスを整備することを目標として掲げました。

そのうえで、発信等を通して開発者コミュニティとの接点を持つエンジニアを増やすこと、認知を高めることを目指していきます。
ビジネス価値である採用に関しては、現時点では目標とする指標に加えていません。プロセスが整備されテックブログ以外の発信も増えてきた辺りから、徐々に意識していこうと考えています。

さいごに

このような定義のもと、今回新たに1件のスポンサードを行うことになりました。 techblog.enechain.com

JSConfではブースの出展も行います。ノベルティも鋭意制作中なので、当日ご来場される方は是非enechainのブースにお越しください!

当社の紹介

ehechainのプロダクト開発組織に関する情報をまとめておりますので、少しでも興味をお持ちいただけたら是非参照ください。 tech.enechain.com

また、ehechainのエンジニアと話してみたい、開発組織の詳細を知りたいなどありましたら、是非カジュアルにお話をさせていただけると嬉しいです! herp.careers