CTOの仕事:情熱とカルチャーについて

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この記事は enechain Advent Calendar 2023 の25日目の記事です。 最終日は CTO の須藤( @sutochin26 )がお送りします。

メリークリスマスですね。弊社としては初の Advent Calendar でしたが、無事最終日を迎えることが出来ました。 今年から Tech Blog を初めて、「年内に30本書くぞ」と目標を立てましたが、この記事で40本目になるみたいです。エンジニアに限らず、デザイナー、PdMも参加し、Tech本部総力戦で目標達成という感じでめでたい限りです。

技術の話は他の皆が沢山してくれたので、私からはカルチャーに関する話をしたいと思います。 CTO就任後、カルチャーとどう向き合い、どんな事をしてきたかについてお話します。

カルチャーに対する想い

私がエンジニアになったきっかけは、VOYAGE GROUP(現:CARTA HOLDINGS)さんのインターンに参加したことでした。どの社員さんも活き活きしていて、熱く本音で語ってくれていると感じ、そういう雰囲気に惚れ込んだのを覚えています。この人たちみたいに楽しく、熱く仕事がしたいと思いました。

その後新卒でグリー株式会社に入社しましたが、これもまた良い会社で、楽しい思い出ばかりです。Tech企業らしいデータに則った意思決定が徹底されていながら、自由な雰囲気も強く、のびのびと働けていました。エンジニアが多かったのも有り、「技術力のある人がカッコイイ」という雰囲気も強い会社でした。

カルチャー、雰囲気というのは、そこで働き続けたいと思う理由にもなれば、逆に働き続けたくないと思う理由にもなる、組織にとって非常に重要なものだと思います。

CTOとして、カルチャー作りを牽引する立場としては、やはり自分自身が最高だと思えるカルチャーを作りたいという想いがあります。

カルチャー醸成に向けた動き

私がCTOに就任したのは 2022年の7月。同年1月にシリーズAの調達を発表した後のことでした。 当時は社員が凄い勢いで増えており、全社的にもカルチャーが話題に上がることが増えていました。

CTO就任直後から、Techチームのマネジャー陣と理想のカルチャーに関するすり合わせをおこない始めました。Webベンチャー出身のメンバー間では認識の齟齬は少なく、目指す方向性自体はすんなり合意がとれました。 当時出ていたキーワードは「プロダクト愛」「スピード」「技術的向上心」などなど。このあたりのキーワードを元にアクションを考えました。 逆に言うと、当時これらが足りていないという危機感もあったのだと思います。

やったこと

カルチャー醸成に向けた取り組みとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 採用基準見直し
  • TechKaigi(隔週のTech本部総会)
  • 技術勉強会(隔週持ち回りの勉強会)
  • 技術力評価会(半期に一度の技術を中心とした評価。CTOが同席)
  • OKR Offsite (OKRを決定する合宿。詳細は後述)
  • Tech Year End Party & Tech Award (忘年会と表彰)

TechKaigi は、有志のメンバーの協力もあり、回を追う毎に良い雰囲気になっています。 皆が自分が作ったものをドヤる感じで、やはり専門職同士でしか伝わらない凄さというのはあるので、こういう場は大事だなと感じます。勉強会との相乗効果で、最近は技術的な議論も活発になりました。

Tech Award はまさに上述のマネジャー陣の話し合いの中で計画した取り組みでした。カルチャー体現しているメンバーを称え、組織としての方向性を示そうという取り組みです。 例えば「エラーが出たらすぐに反応すべきだよね」という話は、普通といえば普通なのですが、伝えるのは結構難しかったりします。オンコール体制等の仕組み化で解決出来る部分もありますが、「プロダクトに対して責任を持っている人がカッコイイ」という雰囲気は共有したいところです。Tech Award ではそういうカッコイイ人を表彰しています。

やっていないこと

敢えてやらなかったことでいうと、カルチャーの言語化には踏み切りませんでした。 言葉だけが一人歩きしてしまうのを避けたかったのもありますし、言葉にして伝えるよりは、現場から滲み出るようなカルチャーを作りたかったというのもあります。

※ これは結果論ですが、組織拡大に伴って当時とは価値観が変わってきた部分もあり、下手に言語化しなくて良かった気がします

想いはそんなに簡単に伝わらない

こうしてカルチャーを作るための取り組みを進めていましたが、今年の4月、OKR を決めるための合宿をやろうというタイミングでメンバーからこんな意見をもらいました。

「CTOとしてどういう気持で取り組んでいるのか、もう少し伝えて欲しい。」

あまり気にしたことがなかったので驚きましたが、確かに言葉にして伝えたことは無かったかもしれません。加えて、enechain という会社はコンサルや商社出身のメンバーが多く在籍する、ビジネス色の強い会社です。その中にあってCTOがどういう考えなのか、Techのメンバーからしたら確かに気になるだろうと思いました。

ちょうどOKR合宿でキャリアキーノート(自身の内的なキャリアを中心に話すもの)の発表の場があったので、そこでTech本部の全員に向けて自分の考えを伝えることにしました。

※ 合宿に関する詳細は是非こちらの note記事 をご覧ください。

合宿で伝えたこと。情熱について

キャリアキーノートでは、 Tech 本部の全員を前に自分の人生や大事にしていることについて話しました。発表タイトルは「エンジニアスピリッツ」。

自分について語るというのは結構恥ずかしいものですし、CTOという立場で語るのは怖さもありました。「これを伝えて皆がついてきてくれなかったらどうしよう」という不安を、発表中も抱えていました。

今振り返って、当時これを伝えて良かったという気持ちでいます。 発表スライドの一部を抜粋します。

エンジニアスピリッツ_スライド1 エンジニアスピリッツ_スライド2 ※ ↑ キャリアに悩んだ末に初心に帰ったときの話です。自分にとって大きなターニングポイントでした。

エンジニアスピリッツ_スライド3 エンジニアスピリッツ_スライド4 エンジニアスピリッツ_スライド5 エンジニアスピリッツ_スライド6 ※ ↑ 「人を喜ばせたい」「技術を極めたい」という気持ちは、採用においても重要視しています。

エンジニアスピリッツ_スライド7 エンジニアスピリッツ_スライド8 エンジニアスピリッツ_スライド9

※ 合宿の夜は非常に盛り上がりました

enechain カルチャーの今と今後

合宿以降(キャリアキーノートの効果かは不明ですが)、Tech本部内のカルチャーはより色濃くなったように思います。

有志で実装されたデザインシステム、自主的に実施される勉強会、どんどん整えられるTechブログワークフロー、3ヶ月でリリースされたプロダクト、全日埋まったAdvent Calendar。 そういった結果はカルチャーが強まった成果と言えるのかなと思います。 カルチャーについて考えだした時に「こうしたい」と掲げた理想像に、少しは近づけたと感じます。

とはいえ、まだまだ人も増えますし、重要なのはTech本部内のカルチャーではなく全社的なカルチャーです。Tech本部の持つ情熱をビジネスと結びつけ、enechain 全体のカルチャーを作り上げることが私のこれからの挑戦です。 私が憧れた素晴らしい会社たち、素晴らしいCTO達を超えることを目指して、これからも頑張っていきたいと思います。

最後に

CTOとして、カルチャーにどのように向き合ってきたかを紹介させていただきました。 情熱を語ることには恐怖も付きまといますが、それでも時には口に出してみることは大事だと感じました。

enechain はまだまだアーリーステージのスタートアップで、カルチャー作りにもメンバー全員が関われる状況です。日頃の些細な一言が大きな流れになることもある、非常にやり甲斐のあるフェーズだと思います。 enechain では一緒に事業・組織を盛り上げてくれるエンジニア/デザイナー/マネジャーを募集しています。 興味を持っていただけたら、是非ご連絡ください。お待ちしております!

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