
この記事はenechain Advent Calendar 2025の8日目の記事です。
言語の壁が組織の摩擦を生んでる?
こんにちは、enechainのPdMのokpです。アドベントカレンダーの時期が来ると1年が終わるなとウルウルし、今年はどんなことしたっけ?と振り返るのも、3回目です。3年目に入った今年は、自分の趣味と仕事を掛け合わせてvalueが発揮できたし、楽しかった年でした。TechとBizの言語ギャップを埋めるために、漫画を描いてみた話を紹介します。
enechainは、日本の電力に特化したプロダクトを作る会社です。日本の電力業界の知識は専門的で、日常では触れない領域ばかり。私も入社直後の頃は、Bizの会話が日本語として理解できるのに、前提知識の不足で意味が理解できない場面が多くありました。
これは、Biz側から見たTechとの会話では同じことのはず。私自身、Biz側のキャリアからPdMになっていることもあり、”エンジニアの言っていることが分からない”気持ちは共感できました。「分かっていそう」に見えて実はお互い、根っこの部分を共有できていなかったりして、ちょっとした前提が違うことで、同じ言葉が通じなかったりします。そのギャップが、思っている以上に大きなコミュニケーションコストになってしまうんです。
「APIってなんですか?」今さらすぎて聞けないと思い込んでいるその一言が、透明な壁を作っているのかも?、そんな思いから“気軽に聞ける”存在になりたいなと考えるようになりました。
CTOから届いたメッセージ
と思いながらも行動に移せずにいたある日、CTOのすとちんさんからこんな提案を受けました。

(漫画練習して描けよ!という無茶振りではなく、昔、フリーペーパーでコミックエッセイ描いてましたと吹聴していた、前提があります)
落書きに毛が生えた程度で画力は高くないけど良いか?と聞きつつ、過去作を添付して返事したあたり、私の中で漠然とやりたいと思っていたことと、この提案がカチッと噛み合ったんだと思います。
上手い下手ではなく、社内のことをよく知っていて“伝えること”が目的の漫画なら、私にもできる。enechainのTech組織の面白さを、誰にでも届く形にできるかもしれないなとワクワクしたのを覚えています。
私としてはTechとBizをつなぐ何かをやってみたいなとは思っているが、どうやったら良いか分からない、というモードで停滞していたので、このDMはモードを変えてくれるスイッチとなりました。また、漫画の制作時は、すとちんさんが内容をレビューしてくれるので、自由に描いて良いのにケツはしっかり持ってくれて、安心できる環境があったのも踏み出せた理由のひとつです。
第一歩:漫画制作開始
社内報に隔月で漫画を連載する形で第一歩を踏み出しました。初回のテーマは「Techの職種紹介」。PdM、デザイナー、EM、エンジニアとは何か?。そんなのみんな知っているだろう!と思っていたのですが、意外とそうでもないようで…。社内の会話に耳を傾けていると、デザイナーのことをエンジニアと言っていたり、PdMとEMって何が違うの?って聞かれたり。分かってそうで意外と伝わっていないことを発見しました。
漫画を描き始めて気づいたことがありました。何かの説明をするときに“実在の社内メンバー”をイラストで登場させると、急に身近な出来事になって理解が一気に深まったのです。知っている人をモデルにすることで、情報が情景として頭に入ってくることを実感しました。
一般的にもよく言われていることですが、イラストを添えることで、「読む心理的ハードルが下がる」ようで、社内メンバーから「漫画から読みます」とか「楽しみに読んでます」とか声をかけてもらえることがあり、その効果を実感し始めていました。

(よーく見ると気づく小ネタをふんだんに盛り込んでます)
人の話をよく聞くようになった、見るようになった
漫画を描くことは、私自身にも2つほど変化をもたらしました。まず、理解が浅いままにしていたことに向き合うようになったこと。解説する立場になると、曖昧な知識では描けないんです。自分がどこまでは分かっていて、どこからあやふやなのかを突きつけられました。初回のTechの組織紹介ですら、
「この職種って、実際どこまで担当するんだろう?このエンジニアとこのエンジニアは何がどう違うの?」
そんな疑問がどんどん湧いてくる始末。技術的な話になると私自身も知らないことが多い上に、どう伝えれば理解してもらえるのか考える必要が出るため、日常での学びのアンテナが鋭くなっていきました。
そしてもう一つは、社内の人を深く知ろうとするようになったこと。実在のメンバーをモデルにデフォルメしたイラストを描いているので、その人の特徴を表現する必要があります。こういうコメントしそう!とか、こういう顔するよねぇと言った小さな「知っている」があると、共感が生まれ読者のイラストへの愛が生まれると思っています。だからこそ、その人の声、癖、表情、価値観を丁寧に拾いに行く必要があって、ものすごく観察するようになりました。社内のみなさん、見てますよー!
人を見て知るようになると、自分自身もメンバーに対して愛着が生まれます。この自分の変化は、自分の仕事へのモチベーションは高まったし、会社への愛が増え、良いサイクルを生み出したと感じています。
隙間を埋める役割へ
単に技術の説明ではなく、社内をモチーフにして描く漫画という遊び心は、理解・共感の加速装置なんだなと感じています。
漫画を描き続ける中で、私はひとつの役割を自分のなかに見つけた気がします。BizとTechの間にある、仕事をするのに支障はないけれど「なんとなくわかった気でいたこと」「聞きづらかったこと」「でも、ま、いっかで済ませていたこと」、そんな言葉にならない隙間を埋めること。
吹き出しを使って説明するだけで、難しい話が誰かのセリフになって伝わっていって、誰も置いていかないコミュニケーションができるんです。漫画は手段の一つにすぎません。大切なのは、“聞ける・話せる”空気をつくること。PdMとして、その文化づくりにこれからも挑んでいきます。
明日は @ytakaya による「Venomで実現するFIX APIテストの自動化」です。ご期待ください!
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